【龍泉寺「龍王の滝」改修工事②】岡山市北区下足守の龍泉寺様にて、新しい龍神様と水路を設置しました

倉敷・総社のお墓・石材専門店として、親子3代、お墓や石材に関するお仕事をさせていただております、大森石材店です。今回は、岡山市北区龍泉寺様「龍王の滝」の第2期改修工事の様子をご紹介いたします。

 

岡山市北区龍泉寺様「龍王の滝」改修工事②

 

このたび、岡山市北区龍泉寺様の「龍王の滝」の第2期工事を終えて、すべての工事が完了いたしました!

第1期工事のようすはこちらをご覧ください。↓↓↓

昨年の夏頃行った第1期工事では、龍神様を支える土台の石積み工事をさせていただきました。その後少し時間を置いて10月頃から始まった、龍神様と水路を設置する第2期工事のようすです。

 

龍神様と水路の解体

【前回のブログより】

工事前のようすです。龍泉寺様の「龍王の滝」は、このように龍神様のお口から勢い良く水が噴き出す形になっています。古くからここで滝行も行われている歴史のある場所です。龍神様部分は明治に建て替えられた時に銅板で作られたもので、傷んでしまっているので新しい龍神様に交換することになりました。

新しい龍神様は真鍮製になるため、以前よりも重くなります。もともとは土台の補強をご依頼いただいていたのですが、重量が増えることから、土台として新たに支え石を設ける形で設置します。

 

まずは、クレーンで古い龍神様本体を取り外していきます。長さがあるので、原型を崩さないように小型クレーン2台で作業をしました。作業場所が開けていないので、小型のものを2台使いました。

 

龍神様の下にあった水路(溝)を取り外します。長さが3メートル、重さは約800㎏ありました。人の大きさと比べると、かなり大きいことが分かると思います。安全に気を付けて作業します。

 

新しい水路の加工

まずは、新しい水路と支え石の加工を行います。龍神様自体が以前より大きくなったので、水路も大きなものになりました。使用した石は、龍泉寺様の近くの山にあった大窪石という地元の御影石です。15尺(約4m50㎝)の長さで2.7tもある石を使用します。

 

石を加工するにあたり、龍神様本体は富山県での専門業者さんが作っているので、その樹脂状の型を送っていただきました。実際に石に乗せてみて、龍神様のお口につながる部分の細かい加工など、バランスを見ながら行っていきました。

 

加工の終わった水路と、完成した龍神様を工場で合わせてみたところです。細かい調節をして、現地での設置に備えます。

 

設置工事

現地での設置工事が始まりました。こちらは滝の場所までの通路ですが、大きなトラックなどは入ることができません。コロと呼ばれる丸太を敷いて、少しずつ坂道を上げていきます。昔ながらの方法です。

 

水路を設置します。取り外しの時同様、2台の小型クレーンで作業します。距離と重さとのバランスを測りながら、細心の注意で進めます。

 

こちらはまた別の場所で作業した様子です。水路と龍神様の土台となる支え石の一方の長さが足りなかったので、足元に石を設置して長さを出すことにしました。龍泉寺様の山にあった自然石を使いました。

 

コロを使って自然石を設置しようとしています。支え石を設置する場所は木で型を取っている状態です。

 

右側の支え石を据え付けています。印のように1台のクレーンで水路を吊って、2台のクレーンで支え石を設置しています。支え石にはめ込む形で水路を設置していきます。

 

左の支え石を設置していきます。ここからは、周りに足場を組んで作業をしました。工事の工程上、どうしても途中で止めることができないので、暗くなっても作業を続ける日もありました。

 

支え石を設置して水路も据え終わり、いよいよ龍神様を設置していきます。

 

完成した龍神様のお顔です。真鍮製で深い緑の色付けがされています。最後に目の部分に、現地で金箔を貼りました。

 

工事完了!

工事完了です!! 新しくなった龍神様から、勢いよく水が噴き出しています。

 

改修工事前後のようすです。大きくなって重量も増えた龍神様と水路を支える、丈夫な支え石はこのように設置しました。安定感と迫力があります。石と龍神様はアンカーでしっかり留めていますので、強度も万全です。

 

左の支え石の脚部分は、さきほどの自然石を使ってこのように設置しています。もともとは板石が設置されていましたが、それをすべて取り除いてから自然石を設置、石に穴を開けて脚を差し込む形で据えました。

 

こちらは龍神様後方の水路のようすです。ゴミや落ち葉などが入らないようになっていて、蓋を取り外してお掃除することもできます。

 

さらに後方の第1期工事で行った石積みの部分も、このようにステンレスの蓋をした水路が設けられています。大雨や台風の後などはお掃除が大変だったそうですが、メンテナンスがしやすくなりました。

 

無事に工事が終わり、4月20日にお披露目となる落慶法要を予定されています。ご住職様には、完成を大変喜んでいただくことができました。今回は工事全体を通じ、その場で石を加工するなど臨機応変な作業が必要な場面もたびたびありました。そうした対応ができる職人は年々少なくなっていますが、問題なくご対応できたことで安心してお任せいただくことができました。このたびは、龍神様の修復という一大工事に携わらせていただきまして、ありがとうございました。大変光栄に感じております。今後も、お寺様やお越しになる皆様のお役に立てることがございましたら、お気軽にお声かけいただければ幸いです。

今回は、岡山市北区龍泉寺様での龍神様の改修工事の完了のようすをご紹介いたしました。普段よりも特別に大きなものを扱い、難易度の高い工事は本当に緊張の連続でした!その甲斐あってお寺様にも喜んでいただくことができ、本当によかったです。普段扱っているお墓はご家族単位でお参りされ、守っていかれるのに対して、改修を終えた龍神様は末永く後世に残っていくものであり、平日でもたくさんの方がお越しになる龍泉寺様の龍神様は、これからもっと多くの方の目に留まります。そうした意味でも、普段とはまた違った貴重な経験になりました。お任せいただき、ありがとうございました。