風化で割れた来待灯篭の修復。強度を保ち、自然な趣ある仕上がりに

倉敷・総社のお墓・石材専門店として、親子3代、お墓や石材に関するお仕事をさせていただております、大森石材店です。今回は、風化で割れてしまった来待灯篭の修復をさせていただいた様子をご紹介いたします。

 

来待灯篭の修復

 

お庭の来待(きまち)灯篭が壊れてしまって落ちそうだから直してほしいというご依頼をいただきました。早速伺うと・・・

 

何十年も前に作られた来待灯篭で、風化で笠が割れて落ちそうになっていました。島根県の来待(きまち)石は、柔らかく加工しやすいため、こうした灯篭などに昔から使われてきた馴染み深い石です。ただ、お墓によく使用される御影石と違って、30から50年ほどでかなり風化が進みます。今回の修理では、笠をすべて取り換えるか、部分的に割れた箇所だけを接着して補修するか、二通りになります。お客様にお話しすると、しばらくもてばよいとのことで、部分補修をすることになりました。

 

笠の裏側から見ると、完全に割れてしまっているのが分かります。つっかえ棒の木材を外してみてわかったのですが、かろうじて木で支えられている状態だったようです^^;

 

まずは割れた箇所を取り外しました。笠は風化が進んでいたものの、笠に守られていた部分は、もともとの色合いや当時の細かい加工の様子もよく見えます。

 

道具を使って割れ口に切り目を入れて、印のようにアルミの木の葉の継ぎ物を入れました。先ほど取り外したかけらの継ぎ目にも切り込みを入れておき、この継ぎ物とボンドで接着・固定します。ボンドの接着だけでは強度が足りないので、この方法を取りました。

 

修復完了です。見た目にもきれいに仕上がるように、見える部分はボンドに来待の粉を混ぜて接着、継いだところをビシャンという道具で丁寧に叩いて、笠の表面と近い質感になるように仕上げました。

 

もともとの灯篭が持っていた時代を経た趣を壊さないように、違和感ができるだけないように心がけ、思った以上にきれいに仕上げることができました! 修復の様子をご覧になっていたお客様にも、大変喜んでいただけました。「わしが生きとる間だけでももてばいいんじゃ」とおっしゃっていたお客様ですが、逆に言えばそれだけ愛着のある灯篭だということですよね。これからも大切にしていただけますと嬉しく思います。今後の参考にもなる貴重な機会をいただきまして、ありがとうございました。